充実と怠惰のあいだ

充実と怠惰のあいだ

怠惰と戦いながら充実を目指すが、やっぱり怠惰つええ。。。

真摯さの重要性

よく、経営にはビジョンが必要だとか、リーダーシップが必要だと言われる。
 
マネジメントの神様と言われたピーター・ドラッカーは「マネジメントになくてはならないものはIntegrity=真摯さである」と語っている。 
 
 但し、Integrityを真摯さと訳したが、日本語の真摯さは、英訳するとSincerityとなり、実はIntegrityに匹敵する適切な翻訳語はない。

 
Longman英英辞書では 
 
"the quality of being honest and strong about what you believe to be right" 
 
(あなたが「正しい」と信じていることに関する正直さと強さの質)
 
 
オックスフォード英英辞典によれば
 
 the quality of being honest and having strong moral principles
 
(誠実であるとともに強固な倫理原則を維持できている状態)と説明されている。 
 
 

 Integrityとは、
まじめで誠実であること以上に
 
強固な倫理観に裏打ちされた信念なり人格となる意志の一貫性に従った真面目さ
 
を意味することになる。 
 
 

 ドラッカーが語るところのマネジメントに
 
なくてはならぬもの=Integrity
 
は、真実のところ日本人の価値観にピッタリフィットするものが無いということは、日本人はマネジメントを本当には理解出来ていないことを意味するのかも知れない。

 そもそも、日本人の思想は絶対的なものではなく、ものの哀れを感じる自然と一体となっら相対的な考え方が基本で、絶対的な自我を良しとしない民族性があるのではないかと思う。その様な民族性に対して原理原則を追及するIntegrityという考え方は、日本には稀薄なのかも知れない。

 しかし、ドラッカーは「マネジメントになくてはならないものはIntegrityである」と語っている。その真意は何なのか?その真意は、マネジメントは原理原則に従い一貫した価値観・倫理観に裏打ちされた信念が必要だということではないだろうか?

 言いすぎかも知れないが、日本の政治家・経営者にはIntegrityが無さすぎると感じているのは筆者だけであろうか?嘗ての大和魂のような信念、いかなる権力や圧力にも諂(へつら)わず屈しない道義心の堅固さ、この人ならばと人格的に全幅の信頼を集める内面的な強靱さ、したたかさが何故なくなったのであろうか?

 それは、戦後教育で修身とか道徳教育を撤廃し、国として一貫性のあるビジョンを描くことなく、嘗て世界から呼ばれたエコノミック・アニマルと化してきたからかも知れない。エコノミック・アニマルとは、人ではなく、人格さえも無いという強烈な国際世論の批判に会い、未だに反論できていないことが本質的な問題かも知れない。

 少なくとも、マネジメント=経営には、人格が必要である。なぜならば、マネジメントとは、人を対象として、人の能力を活かすことにより価値を創造する行為であるからである。従って、マネジメント、経営になくてはならないもの、それは人格である。

 ドラッカーが語るところのマネジメントになくてはならぬもの=Integrityは、まさに人格なくして持ちえない。今の日本の政治家・経営者にまず必要なのは、人格かも知れない。。。